2024年度 インフルエンザ予防接種について
インフルエンザワクチン Q&A
Q.1ワクチンの接種量や接種回数について教えてください!
■6ヶ月~3才未満 1回 0.25ml 2~4週あけて 2回接種
■3才~13才未満 1回 0.5ml 2~4週あけて 2回接種
■13才以上 1回 0.5ml 1回接種
※1回目接種時12才で2回目接種時13才になっていた場合
…12才として考えて2回目の接種
※13才以上の基礎疾患を有し著しい免疫抑制状態にある方は、
医師の判断で2回接種となる事があります。
※体調不良などで2回目の接種が4週以上空いた場合、回復したら早めに接種
Q.2ワクチンの効果はどれくらいつづく? 接種はいつ頃受けるのがいいですか?
インフルエンザは毎年流行しますが、ウイルスは少しずつ形を変えることが多く、ワクチンも毎年これに対応する株を選んで作られています。
ワクチンが十分な効果を維持する期間は接種の2週間後から約5ヶ月間です。
インフルエンザは、一般に1~2月に流行のピークがみられるため、予防接種は流行前である10月下旬~12月中旬頃に行われるのが望ましいとされています。
Q.3ワクチンを接種すればインフルエンザにかからないの?
いいえ、ワクチンを接種してもインフルエンザに罹患することはあります。
まず、感染とは、鼻や口から侵入したウイルスが体の中の細胞に入り増えること。
発症とは、ウイルスが増殖し発熱などの症状を呈する事です。
インフルエンザワクチンは感染を抑える働きはありませんが、(年齢により、50~80%程度)発症を抑える効果が認められています。
また、多くの方はインフルエンザに罹患しても1週間程で回復しますが、中には脳症など合併症や、肺炎などの重症化や、入院が必要なほど重篤な状態となったり、死に至ることもあります。特に、身体機能の未熟な乳幼児や高齢者の方はこのようなリスクが高いです。
ワクチンの最も大きな効果は、この重症化を予防する事です。このように「接種すれば絶対に罹らない」訳ではありませんが、発症を阻止する効果と、発症した場合の症状が重くなることを阻止する効果があります。
Q.4妊娠や授乳をしていても接種を受けられますか?
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンという安全性の高いワクチンで、接種による胎児や哺乳児への影響は心配ありません。むしろ、妊娠中は免疫が下がることからインフルエンザに罹患すると重症化しやすく、また、使える薬が限られるため治療が難しくなる可能性があります。更に、発熱は子宮収縮を誘発させてしまいます。授乳中に罹患すると近くにいる赤ちゃんにうつしてしまう可能性が高いです。
赤ちゃんが罹患すると脱水や重症化のリスクが高く治療も難しくなります。また、お母さんが倒れると家族も大変です。
このようなことからお母さんの感染予防が大切で接種が推奨されています。
ただし、妊娠初期は大事な時期ですので当院では妊娠15週から接種を受け付けております。
Q.5卵アレルギーですが、接種を受けられますか?
インフルエンザワクチンによると考えられる重篤なアナフィラキシー(強いアレルギー反応)の報告は、10万接種あたり0~0.2と極めて少ないですが毎年報告されており、製造過程において孵化鶏卵が用いられていることから、少なからず卵アレルギーに留意する必要があります。ただし、アナフィラキシーを引き起こす濃度:600ng/mlに比べインフルエンザワクチンに含まれるオボアルブミンは1ng/mlと極めて微量でアナフィラキシーの原因にはならないとされていますので、調理、加熱された卵を極少量摂取するだけで強いアレルギー反応が出る程の強い卵アレルギーでなければ予防接種を実施できます。
鶏卵完全除去中など接種可否の判断が難しい方でインフルエンザワクチン接種を希望される方は、総合病院での接種をおすすめします。
また、防腐剤であるチメロサールや添加物がアナフィラキシーを引き起こす可能性は否定できませんが、チメロサールフリーワクチンでも、代替防腐剤との因果関係が示唆されるアナフィラキシーの報告もあり、チメロサール含有の有無のみにとらわれない方が良いかもしれません。防腐剤フリータイプは製造されない年もあり、また製造がある年でも生産量が少ないため、当院では妊婦さんや防腐剤入りで大きな副反応が出た方優先に使用しており、基本的に、メーカーやチメロサール含有の有無指定はできませんのでご了承ください。
※オボアルブミン:アレルギーを引きおこす卵のタンパク成分